お知らせ・ブログNews&Blog
keyboard_arrow_left記事一覧へ戻る

カナダ国民が泣きジャスティン首相も泣いた日

みなさんこんにちは。
トロントのヒロコです。
今日はちょっとしんみりしてしまうお話ですが
お許しください。

今、カナダ中の人達が喪に服しながら
とある有名カナディアンバンドの音楽を
あちこちで流し、人々が涙を流している話題が
あります。

それは何かと言いますと…

オンタリオ州キングストン出身の
有名バンドTragically Hipのリードボーカル
Gord Downieさんが先日多くの人に惜しまれながら
53歳の若さで亡くなった、というニュースについて
なのです。
the-hip-at-the-acc
(Gord Downieさん)

このTragically Hipというバンドは日本人だとあまり
馴染みのない方も多いかもしれないのですが、
カナダでは長年にわたって多くのカナダ人のファンを魅了して来た
国民的なバンドと言えるのです。
とはいえ、世代的にもこのバンドが結成されたのは1984年、
絶頂期の主なファン層としてはおそらく現在40代50代の人達が
メインになるのかな、と思います。
tth_bus_photo_sml-300x22520914446_10154844311587816_9030705777748138463_n

私自身も特にファンで彼らの音楽を良く聞いていた
というわけではないのですが、90年代後半から
このバンドのことは知っていて、16年前にカナダにやってきた時に
初めて彼らがカナダ東部の地元出身バンドだったということを
知ったのでした。

当時私のホストファミリーも学校の先生達も、
そしてその他のカナダ人の知り合いもみんなこのバンドのことを
良く知っていましたし、ファンも多かったのを覚えています。

また、もう5年以上前だったと思うのですが、
このバンドがトロントケンジントンマーケットで
街頭フリーライブを行っていたことがあり、
当時付き合っていた音楽ファンの彼と一緒に
観にいったこともあります(現場にいくとあまりの
人の多さに萎えてしまいましたが…)。

hqdefault 2012101-hip3

今回このTragically HipのリードボーカルのGordさんは、
社会的なアクティビストとしても有名で、
カナダの社会問題の改善に向けて積極的に活動をしてきた
人でもあります。
Capture
http://www.cbc.ca/arts/secretpath/gord-downie-s-secret-path-airs-on-cbc-october-23-1.3802197
(CBCのサイトよりGordさんの作品“The Secret Path”)

 

その彼が、実は昨年の春にバンドのウェブサイト上で
末期の脳腫瘍を患っていて余命が少なくなっているということを
公式に発表したのでした。

これを受けて、そこからいわゆる「Farewell Tour」として
国中のファンに向けて最後のコンサートツアーを行い、
かなり大きな話題になったのでした。

末期がんを患いながらも、気丈にツアーをこなし、
そのコンサート会場はどこに行っても満席で、
ファンと一体になってとてもEmotionalなパフォーマンスを行ったと言う
ことで、各地のニュースで取り上げられました。
20915198_10154855695542816_5117919492339894964_n
(バンドFacebookより)

更には、彼が深く関わってきた社会問題の一つ、
カナダの先住民コミュニティーへの差別や迫害の象徴ともいえる
いわゆるResidential Schoolと呼ばれたシステムに対する運動の
功績なども称えられ、「Order of Canada」というお国の称号も
与えられたり、
593482582001_5476511906001_5476490372001-vs
最後の全国ツアーを収めたドキュメンタリー映画が
今年のTIFFで公開されたり、と彼とバンドの功績は
ファン以外の人達にも幅広く広がりました。
LongTimeRunning_1sht_2800
(TIFFで公開されたドキュメンタリー「Long Time Running」

現在のカナダの首相、ジャスティンさんも
このバンドの大ファンで、Gordさんとは親しい友達としても
良く知られています。

末期がんの発表後も、引続き活動的に色々な場に出て
バンド活動を通しながら、社会問題への問いかけと取り組みに
精を出し、多くのインタビューを受けてきたGordさんの姿は
特にファンではなかった人達にとっても非常に印象的で
感慨深いものがあったと思います(私もその1人)。

そのGordさんが、ついに先日、
家族や親しい友人に囲まれながら静かに息を引き取ったそうです。
分かっていたこととはいえ、やっぱりその日が来ると
悲しいものだといって、朝のニュース番組でも
カメラの前で平気で涙を
流し感情的になるキャスターの姿が印象的でした。

そして首相ジャスティンさんも、涙を流しながら
インタビューを受けている映像が各種メディアで公開され、
更に多くの人の涙を誘いました。

Crying justin
(政治家でお国のトップという立場ながら人間らしく
国民と一緒に涙を流せるって素敵なことですよね…
(こちらもCBCのサイトかFacebook上で動画が観れます→https://www.facebook.com/cbcnews/videos/10155985760269604/

 

以前、カナダの国営テレビCBCで、
Gordさんの独占インタビューが放映されていたのを
私もついつい見入ってしまったのを覚えています。
Capture2
http://www.cbc.ca/news/canada/gord-downie-national-1.3802222
(CBCのサイトでインタビュー動画が観れます)

 

このTragically Hipは、
カナダではかなり有名なバンドながらも、
地元密着型ともいえるとても身近で気さくな
存在であることで有名でした。
NHL

そうやって地元の人達を称えて、地元民だけでなく、
ニュースキャスターやセレブ、政治家までもが国民と
一体となってその死を惜しんだり、
話題を広げていくというカナダらしい風潮は
ある意味とても心が温まる気がします。
Capture3
バンドのサイトより)

こちらの記事もオススメです!

keyboard_arrow_left記事一覧へ戻る

月別アーカイブ

カテゴリ

タグ

各種サンプルプランやその他のご相談・料金お見積など、まずはお気軽にお問合せください

無料相談・資料請求
airplanemode_activePAGE TOP