日本の四年制大学とカナダ公立カレッジの違い
こんにちは、トロントオフィスです。
本日は日本の四年制大学とカナダ公立カレッジという、これら2つを主にスポットを当てて、どういった相違点があるのかを比較をしながら解説したいと思います。
なお、これはあくまで私の体験談ベースの話であり、日本の四年制大学の場合は在籍していた大学や学部によって、カナダの公立カレッジの場合は在籍していた公立カレッジや、どのプログラムを専攻していたかによっても各人が体験する内容は異なってくると思いますので、ご参考程度に留めておいていただきたいという点を予めお伝えさせていただきます。
相違点1: カナダの公立カレッジのコースには出席点がない
日本の大学の場合、履修するコースによって異なると思いますが総合評価のうちに出席を点数として設けているコースが多いと思います。コースのその日の授業の理解度に関わらず、授業の日に出席さえしていれば点数をもらえるといったものです。出席点が低めのコースで総合評価内の10%程度、高めのコースで総合評価内の50%程度を占めるといったイメージです。そして、カナダの公立カレッジのコースには日本の四年制大学と違い出席点というものはありません、つまりコースの総合評価は全て課題(宿題)のみもしくはテストのみもしくは課題+テストによって決められます。
相違点2: カナダの公立カレッジのコースは授業外での勉強時間が厳密に決められており、その時間分の課題がコース別に毎週課せられる
これは公立カレッジやプログラムによって異なると思いますが、例えば私の通学していたカレッジのプログラムのコースは毎週授業以外に3時間分の勉強をこなさなければならないというルールが定められており、それ相応(つまり3時間分)の課題が毎週課されました。ちなみにこれは人によって感じ方が異なるかと思いますが、体感的には毎回3時間分以上の量でした。ちなみに私が通っていたカレッジのプログラムは基本1セメスター(1学期)あたり週に6コースの履修が必要でしたので、つまり少なくとも毎週18時間は課題のために時間を使わなければならなかったという計算になります。日本の大学の場合、在籍する大学や学部によって実態は異なると思いますが、これだけ授業外での勉強を求められる大学/学部の方が少ないと思われます。なお、課題はその日の授業に出席していないとこなせないものが大半ですので、簡単に授業は休めないですよ。
相違点3: カナダの公立カレッジのプログラムは中退率がとても高い
日本の大学の場合、中退率が高いと言われる大学ですら中退率は3割程度との認識ですが、私の在籍していた公立カレッジのプログラムは第1セメスターが開始した時は43人(Max50人収容が可能なプログラムでした)でしたが第4セメスターが開始した時の在籍人数は19人でした。つまり中退率は約56%ということになります(厳密に言うとこれは第4セメスターが開始した時点の数字ですので、実際の中退率はもう少し高いと思われます)。しかも私が在籍していた公立カレッジは留学生が少ないカレッジでしたので、英語に不自由しない人がほとんどだったわけです。勿論中退理由は様々あり、単に勉強についていけなくなったというだけでなく、私が聞いた中ではプログラム在籍中に全く別のことをやりたくなったりとか、自分が学びたかった内容とはちょっと違った等もあったので中退率については一概に言及することは難しい面もあります。
相違点4: カナダの公立カレッジに入学して同時にアルバイトもこなそうとした場合、要領よくやらないと共倒れになってしまう可能性がある
例えば日本の大学生の場合、大学や学部によっては最大週に4日くらいアルバイトのシフトを入れても学業との両立をして卒業をすることはそれほど難しくないように思いますが、公立カレッジの場合そう易々とはいきません。これは相違点2に関わってくるのですが、公立カレッジの場合授業外で勉強に使わなければならない時間は日本の大学のそれの比ではないので、バイトを同時並行でしようとした場合かなり勉強を要領よくやらないと共倒れになる可能性が結構高いと思われます。従って、個人的には例えば公立カレッジ在籍中にアルバイトをしてそれを学費として充てるような見込みで留学の予算を組むことはオススメできません。アルバイトでの収入はかなり低めに見積もって予算に組み込まないと、絵に描いた餅のようになり、資金が途中でショートする可能性が結構高いのではないかと思います。
結論: カナダの公立カレッジでの学生生活はとても忙しい。勤勉に学業に取り組まないと卒業は不可
日本の四年制大学の場合、特に文系学部の生徒は結構怠惰な大学生活を送っていても卒業可能で、例えば学校にきても授業中は基本寝ている、学校帰りはサークルやアルバイトにいき授業の予習復習等はしない、たまに授業内で出される宿題だけを単位取得のためにこなす、そしてテストは前日に友人からノートのコピーをもらい一夜漬けで臨むといったスタイルでも割りと4年で卒業できちゃったりするのですが、カナダの公立カレッジはこのスタイルではまず卒業はできません。英語がネイティブレベルにできて専攻するプログラムの内容に元々かなり精通しているとか(この場合そもそもカレッジに通う必要性を感じませんが)でしたら話は別ですが。加えてこの場合日本では就職先も割りと労せず見つかっちゃったりしますが、カナダで就職しようとした場合もし自分が雇われたら自分が企業側にどのようなメリットや利益をもたらせられるのかを面接の段階から提示することを求められるので、つまり日本の新卒採用のようにポテンシャルで採用はしてくれず、公立カレッジに在籍しているときから自分のアピールとなるであろうポイントを磨いておく必要があります。これは単に公立カレッジを卒業するとはまた別次元のお話であり、特に公立カレッジ卒業後にカナダ内での就職を目指される方はこの点をカレッジ在籍中から意識されておかないと卒業後に大きな苦労をされる可能性があるという点をお伝えしておきます。