名作「となりのトトロ」を英語で観よう!続編
皆さんこんにちは。
再びヒロコです。
となりのトトロを英語で観ること、
そしてこの時代この歳に幼い娘と一緒に観ることで新たな魅力を見つけた
という事について前回触れましたが、
具体的にはどんな点かについて今回は語ってみます。
1, 英語版で観ると舞台や時代背景が日本らしいものでも、
会話の流れや表現の仕方が巧みで自然なのでギャップを感じさせず、
むしろ英語の勉強になる
トトロをあらためて見てみると、その時代背景が随分と古いものであることは
一目瞭然ですが(そもそも映画が公開された年自体が1988年と32年も前!)
年代にするとどのくらいかというと1950年代の
東京郊外にある山里が舞台となっていますね。
この時代というのは日本と海外では人々のライフスタイルや文明的な面でも
完全に異なるものだったはずです。映画に出てくる
日本の山里にある田園風景や登場人物が来ている衣服なども
その当時の海外のものとも全く違っていたと思います。
そう考えると、トトロの映画の時代背景やライフスタイルを
海外の人達が理解するのは難しいのではないかと思いますよね。
それでもこの映画が世界中で愛されている理由はそのストーリー性と
会話の普遍さ以外に、
巧みで完璧な翻訳がされたからじゃないか、と個人的に感じました。
少なくとも英語版を観る限りはそのわかりやすくて自然な吹替えに
「おお、なるほど!」と思うところが沢山あります。
例えば、英語版の映画の中で出てくる言葉で“Soot sprite”というのがあるのですが、
これは一体なんだと思いますか?
そうです、これです↓
「まっくろくろすけ」、またの名を「ススわたり」
こんな架空のキャラクターの名称を一体どのように訳して表現するんだろう、
と思いますがこれをSoot Sprite(直訳したら煤の精って感じでしょうか)と
上手に表現することで、英語でもまっくろくろすけがどんなものがしっくりくるんです
「まっくろくろすけ、出ておいで~!」と掛け声をかける個所は英語だと
“Come out come out wherever you are!”
になっています。この“Come out Come out…”の言い方は
例えば英語でかくれんぼなどをして遊んでいる時や何か探し物をしている時などに
日常生活でよく口にする表現です。
(さすがにその先の「出ないと目玉をほじくるぞー」は
訳したら残酷なイメージが芽生えてしまうので訳されていませんでしたけど…)
サツキが学校初日の朝に慌てて出かけるシーンも、「行ってきまーす」が、
“(I’ve)Gotta go! Bye!”
となり、
お父さんとメイちゃんが口をそろえて「いってらっしゃーい」の所は
“Have a nice DAY!”となっています。
もちろん直訳ではなく、英語の会話としてもとても自然な感覚で流れが分かります。
この様な細かな所が実はストーリーの大事な流れを誰もが良くわかるように
訳されて表現されていることで時代や国境を越えても
誰にとってもわかりやすく魅了するポイントとなっているのではないかと思います。
訳した人のスキルが上手で素晴らしいというのはもちろんですが、
英語でなんて言ってるのかなという観点でこの映画を見ると
とても興味深いので英語の勉強にとてもお勧めです!
ちなみにミニボスはトトロを見て初めて“Acorn(どんぐり)”という単語を覚えましたよ。
でもまだ本人は実際にどんぐりそのものを見たことがないですが、
多分本物を見た時にちゃんとわかると思います。
余談ですが、この映画の英語版はサツキとメイちゃん姉妹の声の吹替えをやっているのが、
実際の姉妹であるダコタ・ファニングとエル・ファニングなんです。
今では二人ともハリウッドで活躍する立派な大人の女優さんですが、
彼女たちの子供時代からの才能が垣間見れる貴重な作品でもありますね。
さすが姉妹、息も合ってより自然な会話を生んでいます。
と、つらつら書いていたらミニボスがすっかり寝落ちてしまいましたので
今回はここまでとして、次回に続きを書きたいと思います。
ではみなさまお休みなさいませ。
つづく…