非常時にこそ考える、大事なこと。
こんにちは!トロントオフィスのミチルです。
普段は個人的なことばかり書いている私のブログですが、今週はトロントで海外ニュースにも載る大きな出来事が起き、自分にとってはとても大切な気付きがあったのでそれを取り上げたいと思います。
今週月曜日のことですが、トロント郊外で一台のバンが歩道を暴走し、複数の死傷者を出すという事件が起きました。まだ公表されていない情報が多い現状ですが、運転手はすでに逮捕されていることもあり、詳細は今後明らかになってくるのではないかと思います。やっと暖かくなってきて外出が楽しみという時期にこんな事件が起きて本当に残念だとしか言いようがありません。そこに運悪く居合わせてしまい事件に巻き込まれた犠牲者の方々に心から「I’m sorry」と言いたいです。
正直なところ、ニューヨークにいた頃も罪のない市民が事件に巻き込まれるというようなニュースを度々目にしていたので、当初は「カナダでもこういう事件が起こるんだ」くらいにしか思っていませんでした。でも時間が経過するにつれて印象的だったのは、とても迅速なトロント市民の行動でした。
事件が起きた日の夕方には既に多くの人が現場に足を運び花を手向ける姿がテレビに映っていたのですが、それを近隣住民がボランティアで見守り、周辺地域の治安に努めるという何ともスマートな行動をとっていました。翌日には朝の情報番組で心理カウンセラーが犠牲者やその家族友人に向けて相談窓口となるホットライン開設を呼び掛け、その他にも公式的なものから個人的なものまで、犠牲者を気遣い手を差し伸べようとするメッセージが次々と発信されていました。
事件の詳細も犠牲者の情報もほとんど公表されていない早い段階からこれだけの心遣いができるトロント市民、カナディアンは素晴らしいと思います。現場に残していく犠牲者を弔うメッセージが様々な言語で書かれていることも、多人種が共存するトロントらしい一面です。被害に遭った人がどんな人であったとしても、不慮の出来事に巻き込まれて時には命を落としてしまうことのやるせなさや悲しみは、世界共通で分かち合うことのできる感情ではないでしょうか。
自分は今回被害を受けずに済みましたが、毎日通うオフィスは事件のあったヤング通りをずっと南下した先にあります。事件の翌日オフィス前の通りを信号待ちしながら、もしかしたら自分が被害に遭っていたかもしれないと考えていたら、大事なことを思い出しました。私、カナダに来てまだ「在留届」を出していなかったのです!
当社のメンバーさんにはオリエンテーションで案内していますが、海外に3か月以上滞在する日本人は管轄の日本国大使館または総領事館に在留届を提出することが義務付けられています。これを出しておくことによって、事件・事故が起きた際に管轄所が本人の安否を確認し、緊急時にはご家族への連絡などが迅速に行われます。また、英語力が十分でない留学生や旅行者は、今回のようなことが起きても何が起きているのか理解できなかったり、あるいはそのニュース事態を知らなかったりということがあるかもしれません。外務省は在留届を提出している人たちに向け、現地の最新情報を知らせたり、影響を及ぼす可能性のある出来事についてメールで注意喚起をしてくれます。
本当に、こういう時こそ届け出の重要性を再認識しますね。今回、提出を怠っていた自分の反省を大いに生かして在留届の必要性を積極的に呼び掛けていこうと思いました。ちなみに、届け出は総領事館に赴かなくてもウェブサイトから完了させることが出来ます。ものの10分くらいで済みますよ。
ウェブサイトはこちら→https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html
なお、3カ月未満の短期渡航者の方々も、渡航先の最新情報が提供される「たびレジ」というサービスがありますので、ぜひご活用くださいね。
「たびレジ」はこちら→https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html